築20年以上のマンションでは、機械式駐車場の老朽化が深刻です。

使われなくなった装置の維持に悩みつつも、「すぐには撤去できない」「でも安全は確保したい」という管理組合も少なくありません。

そんな悩みに応える選択肢が「平面化ロック工法です。

この記事では、現状維持（点検継続）とのコスト比較を通じて、この工法が“つなぎ策”としてどれだけ現実的かを具体的に解説します。

機械式駐車場をそのまま維持した場合と比べて、平面化ロックすることで、どの程度維持費用を削減できるのかを見ていきましょう！

モデルケースの前提条件

項目	内容
装置形式	単純昇降式
構成	地上1段＋地下2段 × 8列
収容台数	24台（＝24パレット）
点検頻度	年6回（隔月）
契約形態	POG契約（部品代別途）

ケース①：平面化ロック工法を導入（5年間使用停止）

費目	内容	金額（概算）
ロック工法施工費	8列 × 40万円	320万円
合計（5年間）		約320万円

ケース②：機械式駐車場を継続運用（点検・補修あり）

費目	内容	金額（概算）
年間点検費用	24パレット × 3,000円 × 6回 × 5年	約216万円
部品交換・修理	電装系など	300〜500万円
想定外の故障対応	落下防止装置、リレー交換など	50〜100万円
合計（5年間）		約566〜816万円

コスト比較：最大で約500万円の削減に

比較項目	平面化ロック工法	点検継続（現状維持）
総費用（5年間）	約320万円	約566〜816万円
費用差	—	最大で約496万円削減
安全性	使用停止により高い	故障・事故リスクあり
維持管理の手間	点検・修理ほぼ不要	継続的な対応が必要

注目すべきはコスト差です。機械式駐車場の維持には最大800万円以上が必要になる一方で、ロック工法ならその半額以下で済み、安全性も向上します。

機種や構造によっては、さらに差が広がることも

今回紹介したのは単純昇降式ですが、例えば横行昇降式（左右に動く装置）や高層型の機械式駐車場の場合、以下のような理由で費用はさらに増加します。

• 可動部が多く、点検費用が高額に
• モーター・制御盤などの複雑部品が多く、修理費が高くなりがち
• 古い機種では部品入手が困難で、一部機構の更新が必要になる場合も

こうした装置ほどロック工法によるコスト削減効果は大きくなる可能性があります。

※本記事はあくまで一例として、単純昇降式×8列×24パレットのモデルケースに基づく試算です。実際の費用は、装置の構造、設置環境、契約内容などにより大きく変動します。

まとめ

機械式駐車場を維持し続ける場合、5年間で最大800万円以上のコストがかかるケースもあります。

一方で、平面化ロック工法を導入すればその半額以下、約320万円で済み、安全性の面でも優れています。

特に横行昇降式や高層型といった構造が複雑な駐車場では、維持費が高騰する傾向があり、ロック工法による差額はさらに大きくなる可能性があります。

今すぐ撤去や全面改修に踏み切れない場合でも、安全性を確保しつつ、費用の発生を一定期間抑える手段として、ロック工法は現実的な対応策の一つといえます。

このようにして節約できた費用を、将来的な更新や平面化の資金に充てることで、より計画的な駐車場の再整備が可能となります。

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機械式駐車場の維持管理・リニューアル・解体平面化等に関する専門的な情報提供や、無料コンサルティングを行っています。複雑で不透明になりがちな分野だからこそ、皆さまが納得して判断できるよう、わかりやすく中立的な支援を心がけています。

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