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機械式駐車場の維持費、いくらかかる?国交省ガイドラインで見る費用の相場

機械式立体駐車場の種類と修理費用の目安

マンションに設置されている機械式立体駐車場は、限られた敷地を有効活用できる便利な設備です。しかし、経年劣化による修繕やメンテナンスには、継続的なコストがかかります。特に管理組合にとって、将来に備えた費用計画を立てるためには、維持費の相場を知っておくことが欠かせません。この記事では、国土交通省のガイドラインをもとに、機械式駐車場の修理費用や維持管理にかかる費用について学んでいきます。

機械式駐車場の種類と修理費の目安

機械式駐車場は設置方法や動作方式によって構造が異なり、それに伴って修理費用にも差が生じます。以下は国交省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン(令和3年改訂版)」に基づく修繕工事費(月額換算)の目安です。なお、ここでの「1台」とは「1パレット=車1台分の収納スペース」あたりの費用を指します。

タイプ設置方式動作方式特徴修繕工事費(円/台・月)
2段昇降式(ピット1段)地下ピット式単純昇降式地上1台・地下1台で構成。上下動のみで出し入れ可能。外観は平面駐車場のように見えることも。7,085円
3段昇降式(ピット2段)地下ピット式単純昇降式地下2台を活用し収納台数を増やせるが、出庫に時間がかかる場合もある。6,040円
3段横行昇降式(ピット1段)地下ピット式横行+昇降式横方向の移動も可能で利便性が高い。構造がやや複雑で修繕費がやや高め。8,540円
4段横行昇降式(ピット2段)地下ピット式横行+昇降式地下2段+地上2段で高密度収納が可能。構造が非常に複雑で、修繕費も高額。14,165円

修繕費の金額はあくまで目安であり、個別の設備の年数や使用状況によって上下する可能性があります。

修理費用の管理で重要なポイント

維持費は機種や使用年数、稼働頻度などに左右されるため、一律ではありません。特に構造が複雑な横行昇降式や多段式は、部品の劣化や不具合の発生頻度が高くなる傾向があり、修繕コストもかさみやすいとされています。そのため、修繕積立金の見直しを定期的に行い、必要に応じて駐車場専用会計を設けて管理する方法も効果的です。

まとめ

機械式立体駐車場の維持には、定期的なメンテナンス費用や将来的な修繕工事費がかかるため、あらかじめ相場を把握しておくことが管理組合にとって非常に重要です。特に横行昇降式や多段式のような複雑な構造をもつタイプは、費用が高額になりやすいため、長期的な視点での予算計画が欠かせません。国土交通省のガイドラインを活用すれば、設備ごとの修繕費の目安を知ることができ、修繕積立金の適切な設定にも役立ちます。加えて、駐車場専用の会計を設けて費用を明確に管理することで、将来の大規模修繕への備えや住民間の理解促進にもつながります。コストだけに目を向けるのではなく、安全性と利便性を維持するための前向きな投資と考えることが、持続可能なマンション運営への第一歩です。

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