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その駐車、実は逆?“前向き”と“後ろ向き”の正しい使い分け【機械式駐車場編】

その駐車、実は逆?“前向き”と“後ろ向き”の正しい使い分け【機械式駐車場編】

マンションでよく見かける「機械式駐車場」。その中でも特に多く導入されているのが、単純昇降式や横行昇降式(いわゆるパズル式)と呼ばれるタイプです。これらの機械式駐車場では、「後ろ向きに入庫してください」という案内がされていることがあります。そもそも「後ろ向き駐車って、つまりどっち向きのこと?」と迷ったことはありませんか?実はこの「前向き」「後ろ向き」の定義を誤解したまま駐車すると、装置の故障や事故のリスクが高まることもあるのです。この記事では、“前向き駐車”と“後ろ向き駐車”の本当の意味と、機械式駐車場で守るべき駐車方向のルールについてわかりやすく解説します。


そもそも「前向き駐車」ってどっち向き?

「前向き駐車」とは、車の前方(ナンバープレート側)が奥側=装置側を向いている状態を指します。つまり、前進して入庫することで「前向き駐車」になります。

逆に「後ろ向き駐車」は、車の後方(テールランプ側)が奥側を向いている状態で、後退して入庫することを指します。

駐車の状態入庫方法車の前方の向き出庫方法
前向き駐車前進で入庫奥側(装置側)後退で出庫
後ろ向き駐車後退で入庫通路側前進で出庫

なお、管理会社や管理組合が作成した掲示物や案内文などでは、「前向き駐車」「後ろ向き駐車」の言葉の使い方が逆になっている場合もあります。
そのため、「用語の意味」だけに頼らず、実際にどう停めるべきかを図や説明で確認することが大切です。


機械式駐車場で「後ろ向き駐車(=バック入庫)」が推奨される理由

① 構造物との接触リスクを避けるため

機械式駐車場は、装置の動作に支障がないようギリギリの寸法で設計されています。
前向き駐車(=前進で入庫)をすると、フロントオーバーハング(車の前端)が想定位置を超えて奥に飛び出し、装置や壁と干渉するリスクがあります。

とくにフロントが長いSUVやミニバンは、全長が制限内でもこの問題が起きやすく、装置の動作エラーや接触事故の原因になります

② センサーが正しく動作するため

多くの機械式駐車場は、車両を後ろ向き(=バックで入庫)で停めることを前提にセンサーや制御が設計されています。

前向き駐車にすると、センサーが想定していない車体の構造(バンパーやマフラー)に反応してしまい、誤作動や停止トラブルにつながる可能性があります。他の車の出庫を妨げるケースもあるため、注意が必要です。

③ 装置のバランスを保つため

車のエンジンなどの重量物は多くが前方にあります。
後ろ向き駐車をすることで、重い前方がパレットの通路側に位置し、装置にかかる荷重バランスが安定します。

前向きに駐車すると、重量バランスが乱れ、想定外の負荷が装置にかかってしまう恐れがあります。

④ 出庫時の安全性を高めるため

後ろ向き駐車をしておけば、出庫時に前向きで通路に出られるため、歩行者や他車との接触リスクが低くなります

一方で前向き駐車では、出庫時に後退が必要になり、視界が悪くなって事故リスクが高まるのです。これは特に、構内通路が狭いマンション駐車場では重大な問題になります。


まとめ

マンションに設置されている機械式駐車場では、通常は「後ろ向き駐車(=車の後方が奥側)」が正しい駐車方法として設計されています。
これは、構造的なクリアランス、センサーの動作、重量バランス、安全性など、あらゆる面で合理的な理由があるからです。

一方、「前向き駐車(=前進で入庫して車の前が奥側)」は、一見便利そうでも、機械にとっては想定外の使い方
トラブルを防ぎ、安心して使い続けるためにも、駐車方向のルールを正しく理解し、確実に守ることが大切です。

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