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また立体駐車場で事故が発生…その駐車場、実は“機械式”かもしれません

また立体駐車場で事故が発生…その駐車場、実は“機械式”かもしれません

最近、立体駐車場での事故がニュースで取り上げられる機会が増えています。「うちのマンションも立体駐車場だけど、安全なの?」と不安に感じた方も多いのではないでしょうか。実は“立体駐車場”という言葉の中には、構造や管理方法がまったく異なる“機械式駐車場”が含まれていることがあります。見た目では分かりにくいこの違いは、安全性や維持費に大きく影響します。この記事では、立体駐車場と機械式駐車場の違いについて、住民や理事の皆さまにもわかりやすく解説していきます。

「立体駐車場=自走式」とは限りません

ニュースで「立体駐車場で事故が発生」と聞くと、多くの方はコンクリートでできた自走式の駐車場を思い浮かべるかもしれません。しかし“立体”とは、単に「地面より上下に構造がある」という意味で使われる言葉であり、上下に動く“機械式駐車場”も広い意味では立体駐車場に含まれます。
つまり、「立体」と聞いても、その実態が機械式か自走式かは区別がつかず、事故の背景がわかりにくいというのが実情です。

マンションで多いのは“機械式”

特に都市部の分譲マンションでは、限られた敷地を有効活用するために機械式駐車場が数多く採用されています。
一方で、郊外の大型マンションや商業施設では、スロープで車を移動させる自走式の立体駐車場が主流です。
管理組合や理事会の皆さまは、ご自身のマンションに設置されている駐車場のタイプを正しく把握することが、今後の安全対策や更新計画を考えるうえで欠かせません。

「立体」と「機械式」はどう違うの?

項目機械式駐車場自走式立体駐車場
駐車方法機械装置が車を自動で移動ドライバーが運転して入出庫
構造パレット・リフトなど機械中心スロープ付きの建築構造
メンテナンス頻繁な点検・整備が必要建築物としての定期点検
建築上の扱い機械設備(建築物扱いではない)建築物として確認申請が必要
故障リスク高い(電気系統・油圧等)低い(機械装置なし)

利用者目線での違いも要チェック

比較項目機械式駐車場自走式立体駐車場
出庫時間数分かかることもすぐに乗って出られる
故障・トラブル機械の停止や誤作動ありトラブルは少なめ
車種制限高さ・重量制限が厳しい比較的ゆるやか
利便性操作が複雑な場合もスムーズに駐車可能

管理組合が知っておくべきこと

立体駐車場の事故リスクや維持費の問題は、放置しておくと管理組合の大きな課題になります。機械式駐車場は設備寿命も短く、早ければ20年を前に更新や撤去の検討が必要になることも。逆に、自走式は維持が楽でも、建物の耐久性や耐震性といった課題があります。
今後の方向性を検討する際には、駐車場の構造や管理コスト、安全性などを踏まえたうえで、長期的な視点で計画を立てることが求められます。

まとめ

立体駐車場と聞くと、安全で便利なイメージを持たれがちですが、実際にはその中に機械式駐車場が含まれており、構造や安全性、管理コストに大きな違いがあります。機械式駐車場は便利な反面、機械トラブルや故障リスクがあり、点検や部品交換などの維持費も高くなりがちです。一方、自走式の立体駐車場は利用者の運転による出し入れで、構造的なトラブルは少ないものの、建物としての耐久性などが課題になります。最近の事故報道をきっかけに、まずは自分たちの駐車場がどのタイプなのかをしっかり確認し、安全性や将来の管理計画について見直すことが、安心で持続可能なマンション管理につながります。

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