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駐車場付きで売ると有利?実は「引き継げない」ルールがあります

駐車場付きで売った方が有利?実は引き継げないルールがあります

マンションの一室を売却するとき、「今使っている駐車場も一緒に引き継いでもらえたらいいな」と考える方は少なくありません。特に車が欠かせないファミリー層にとって、「駐車場付き物件」という響きはとても魅力的に感じられることでしょう。

ですが、実際には「そのまま使える」とは限らないことをご存じですか?この記事では、マンション売却時に知っておくべき「駐車場契約の引き継ぎルール」について学んでいきます。

標準管理規約では「引き継げない」が原則

多くの分譲マンションで参考にされている国土交通省の「マンション標準管理規約」では、駐車場の契約について次のように定められています。

第15条第3項(駐車場の使用)
区分所有者がその所有する専有部分を、他の区分所有者又は第三者に譲渡又は貸与したときは、
その区分所有者の駐車場使用契約は効力を失う。

つまり、お部屋を売却した場合には、それまで使っていた駐車場の契約も自動的に終了してしまうのです。

よくある誤解:「駐車場もそのまま使ってもらえると思ってた…」

売主からは「買主にもそのまま使わせてあげたい」とのご要望をいただくことがありますが、マンションでは「管理規約」や「使用細則」に則って運用されており、個別の希望だけで駐車場を引き継ぐことはできません。

実際の対応は、以下のようなパターンが多いです。

状況買主の対応
駐車場に空きがある場合新たに申込み可能(抽選や先着順のことも)
空きがない場合待機リストに登録し、順番待ち
特定区画の使用継続使用細則で例外が認められるケースもあり

売買時には「正確な案内」が大切です

駐車場を使えることは大きな魅力ですが、それが「確約」ではないことをきちんと伝えなければ、後々のトラブルにつながります。

たとえば、以下のような表現を使って、誤解を避けることが大切です。

現在駐車場を使用中ですが、売買に伴い駐車場契約は終了します。買主様による使用希望については、管理規約・使用細則に基づき、管理組合の判断により対応されます。

まとめ

マンションのお部屋を売るとき、駐車場もそのまま使ってもらえると思ってしまいがちですが、標準管理規約では「売却や賃貸と同時に駐車場使用契約は終了する」と定められています。買主が駐車場を使いたい場合には、再度申込みが必要で、必ずしも同じ区画を使えるとは限りません。売買時には、こうしたルールをきちんと理解し、仲介業者や買主に対して誤解のないように丁寧な説明を行うことが、トラブルのないスムーズな取引につながります。駐車場については「使える前提」で話を進めるのではなく、使用の可否は管理組合の判断によるという前提でご案内することが大切です。

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