こんにちは、機械式駐車場のコンサルタント、山崎良太です。機械式駐車場は都市部を中心に多くのマンションで導入されています。機械式駐車場は比較的トラブルが発生しやすく、壊れやすいという特徴があります。また、機械式駐車場のタイプによっては、より複雑な機械ほど故障の発生率が高まります。特に、屋外に設置されていて雨ざらしになっている場合はさらにリスクが高まります。今回は、マンション理事の皆さんや管理組合の方々が知っておきたい機械式駐車場のメンテナンスやリニューアルについて詳しく解説していきます。
機械式駐車場は点検に関する法的義務がない
機械式駐車場は、エレベーターなどと違って法的に定められた点検義務がありませんが、故障や事故の防止、寿命の延長のために定期的なメンテナンスが必要です。一般的には、建築基準法第8条の「維持保全条項」に基づくメンテナンスが推奨されています。
メンテナンスの「回数」「頻度」
機械式駐車場には法的な点検の義務はなく、メンテナンスが必要な頻度は使用頻度や環境によって異なります。 一般的には年6回の点検サイクルが主流ですが、メーカーの推奨基準や点検業者のアドバイスに合わせて、頻度を決めることが望ましいです。
業者は「メーカー系」と「独立系」
メンテナンス業者は「メーカー系」と「独立系」の2つのカテゴリーに分けられます。それぞれの特徴や利点・欠点について見ていきましょう。
種類 | メリット | デメリット |
メーカー系 | ・自社製品に対する深い知識と専門性 ・特殊な機械式駐車場にも対応可能 | ・費用が高い傾向 |
独立系 | ・費用対効果が高い ・技術力の向上によりメーカー系に匹敵する業者も存在 | ・一部の技術力に劣る場合がある |
メーカー系メンテナンス業者は、自社製品に対して深い知識と専門性があり、特殊な機械式駐車場にも対応が可能ですが、費用が高い傾向にあります。
一方、独立系メンテナンス業者は、費用対効果が高く、技術力の向上によってメーカー系に匹敵する業者も存在していますが、一部の技術力に劣る場合があります。
「フルメンテナンス契約」と「POG契約」
メンテナンスには、フルメンテナンス方式とPOG方式があります。前者は、全ての部品交換や修理が含まれた一括料金で、後者は部品交換や修理のみを個別に料金がかかる方式です。それぞれのメリット・デメリットを比較検討し、マンションの予算や設備の状況に応じて選択しましょう。
フルメンテナンス契約 | POG契約 | |
---|---|---|
メリット | 定額で予算が組みやすい。部品交換や修理が必要な場合でも追加費用がかからない。 | 必要な部品交換や修理だけを行うため、無駄が少ない |
デメリット | 定額費用が高い。 | |
必要のない部品交換や修理が行われることもある | 予期せぬトラブルや修理で費用が急増する可能性がある |
まとめ
機械式駐車場の寿命は、一般的に20~30年とされていますが、定期的なメンテナンスや部品交換を行っていれば、寿命をさらに延ばすことができます。
以上、マンション理事の皆様や管理組合の方々が知っておくべき機械式駐車場のメンテナンスについて解説しました。