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機械式駐車場の「待ち時間」は実際どれくらい? 朝の通勤ラッシュ時のリアル

機械式駐車場の「待ち時間」は実際どれくらい? 朝の通勤ラッシュ時のリアル

「機械式駐車場は出し入れが面倒」とよく聞きますが、具体的に何分くらい待つことになるのか、リアルにイメージできていますか?

特に朝の通勤ラッシュ時は、カタログスペック以上に時間がかかることがあり、「こんなはずじゃなかった!」と後悔するポイントになりがちです。

今回は、機械式駐車場のタイプによる待ち時間の違いと、カタログには載っていない「朝のラッシュ時に起きる待ち時間の正体」について、プロの視点で解説します。

タイプによって「待ち時間」の仕組みはまったく違います

待ち時間を正しく理解するには、平均時間よりも「タイプ別の特徴」を知ることが大切です。

マンションで一般的なタイプは 「単純昇降式」「昇降横行式(パズル式)」 の2種類。その後に大規模マンション等で見られる 「タワー式」 があります。

1. 単純昇降式(最もシンプルな機械式)

【特徴】
上下に動く昇降装置で、特定のパレット(車室)だけを呼び出す方式です。

【待ち時間のポイント】

  • 地上階の車室
    自分のパレットが地上にあれば、機械の入替動作は不要です。ゲート(古いタイプはゲートはありません。)が開けばすぐに出せるため最速です。 ただし、隣接するパレットと同じ操作盤を共有している場合、他の利用者が操作中だと操作盤に触れないため待ち時間が発生します。「自分の車が目の前にあるのに出せない」という状況が起こり得ます。
  • 地下・上段の車室
    パレットを上下に動かす必要があり、呼び出しからゲートが開くまで約1~2分かかります。

2. 昇降横行式(パズル式)

【特徴】
複数段のパレットがパズルのように縦横にスライドし、目的のパレットを最前列(出入り口)に持ってくる仕組みです。マンションで最も採用されているタイプです。

【待ち時間のポイント】

  • 地上階(ゲート内)の車室
    自分の車が地上にある場合、スライド動作なしで取り出せます(ゲート開閉時間のみ)。 ただし、数台〜十数台を1つの装置(ブロック)で管理しているため、同じブロックの誰かが操作していると、完全に終わるまで待つ必要があります。「操作の順番待ち」が一番のボトルネックになります。
  • 地下・上段の車室
    昇降+横行を組み合わせ、目的のパレットを出入り口まで移動させる必要があり、取り出しはおおむね2~3分が目安です。 単純昇降よりも動きが複雑なぶん、混雑時には「前の人の操作完了待ち」+「自分の機械動作待ち」の両方で時間がかかります。

3. タワー式(タワマンなどに多いタイプ)

外観は同じタワーでも、中身の仕組み(方式)でスピード感や待ち時間のムラが全く違います。

A. エレベーター方式(早くて快適)

  • 特徴
    建物の中央にある高速リフト(エレベーター)が、指定の階まで最短距離で車を迎えに行き、スピーディーに昇降します。
  • 待ち時間:比較的早い・安定している
    無駄な動きがなく、高層でもストレスが少ないのが特徴です。最新のタワーマンションや大規模オフィスビルなど、利便性を重視する場所によく採用されています。

B. 垂直循環方式(運とタイミング次第)

  • 特徴
    観覧車やメリーゴーランドのように、パレット全体がグルグル回って出入り口まで運んでくる方式です。
  • 待ち時間:場所によって差が激しい
    自分の車が出入り口の近くにあれば早いですが、一番遠い場所(回転の反対側など)にあると、順番に回ってくるのを待つため時間がかかります。最大で5分近くかかることもあり、「急いでいるのに車が来ない」という状況になりがちです。

参考データ:メーカー公表の時間は?

実際のデータや動画を見てみると、イメージが湧きやすいでしょう。

タワー式駐車場の出庫時間

IHI運搬機械の資料によると、標準的なタワー式の場合、最大で約4分00秒、平均で約3分20秒かかるとされています。

出典:中間待機システム & AI活用 – IHI運搬機械 (PDF)

実際の動き(動画)

実際の操作手順や動作スピードについては、以下の動画が参考になります。

【IHI 機械式駐車場】入庫手順 & 出庫手順 – YouTube

【IHI タワーパーキング】入庫手順 と 出庫手順 – YouTube

一番気をつけたいのが平日の朝です。通勤時間が重なると、駐車場の前に行列ができてしまいます。 ここで重要なのが、メーカー公表の時間には「人の乗り降りや操作の時間」が含まれていないということです。

リアルな待ち時間の計算式

朝のラッシュ時の待ち時間は、以下のような計算になります。

【自分の待ち時間】 = ( 前の人の操作・乗車時間 [約3分] × 待機人数 ) + ( 自分の車を呼び出す機械動作 [約3分] )

実際には、前の人が荷物を積んだり、チャイルドシートにお子さんを乗せたりする時間がプラスされます。また、センサーが子供を検知して機械が非常停止し、再操作が必要になるケースもあります。

もし前に2人待っていたら……

  • 前の人たちの操作・乗車:約6分(3分×2人)
  • 自分の機械動作:約3分
  • 合計:約9分待ち

特に雨の日は乗り込みに時間がかかるため、さらに余裕が必要です。「前に2人いたら10分待つ覚悟」が必要なのが、朝のリアルです。

まとめ:待ち時間をストレスにしないために

機械式駐車場の待ち時間は、「どの方式か」「朝の混雑がどれくらいあるか」で大きく変わります。

  • 単純昇降式は比較的早い
    地上階に車があれば機械動作が少ないためスムーズに出庫できます。ただし、誰かが操作中なら他方式と同じく操作開始まで待つ必要があります。
  • パズル式はパレットの縦横移動に時間がかかる
    目的のパレットを最前列に揃えるための動作に2〜3分程度必要で、混雑時はこの動作が連続するため待ち時間が伸びやすくなります。
  • タワー式は方式でスピード差が大きい
    エレベーター方式は比較的安定して早い一方、垂直循環方式は車の位置によって大きく時間が変わり、最大5分前後かかることがあります。

また、メーカー公表の出庫時間は機械の動作のみを示しており、乗り降り・荷物の積み下ろし・子どもの乗せ降ろしといった「人の時間」は含まれていません。

そのため朝の通勤ラッシュでは、前の人の動作時間と待機人数がそのまま自分の待ち時間にのしかかり、実際にはかなり長くなることがあります。
特に世帯数が多いマンションでは、2人待ちで10分程度かかるケースも珍しくありません。

後悔しないためには?

  • 自分のマンションの駐車場が どの方式か正しく把握する
  • カタログ値ではなく、朝のリアルな待ち時間を前提に考える
  • 各方式の特性を踏まえ、
    出庫時間の調整・混雑回避・将来的な平面化検討などを進める

そして──
「機械式駐車場は時間がかかるもの」と割り切り、余裕を持ったスケジュールを組むことこそが、精神衛生上もっとも有効な対策といえるでしょう。

毎日の外出が格段にスムーズになり、ストレスも大きく軽減されます。




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