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機械式駐車場設備の入れ替え、どう進める? 業者選びのポイントを解説。
機械式立体駐車場は、敷地条件や収容台数、設置環境に応じてさまざまな構造があります。ここでは、5つの方式に分類して、そのリニューアルやサービスに対応可能な企業の一覧が表示されます。

地上式は、地下にピットを設けず、地表面の上に装置を設置して車を上下または上下・左右に動かして収納する方式の総称です。代表的なタイプとして、上下2段で構成される単純昇降式(地上2段式)や、複数の段と列を組み合わせて車を入れ替える昇降横行式(地上パズル式)があります。ピットを掘削しないため施工期間が短く、地下水位や地中埋設物の影響を受けにくいという利点があります。その一方で、地上部分の高さ制限や景観との調和を考慮する必要があります。 戸建て住宅や小規模マンションのほか、中規模集合住宅でも導入されるケースがあります。

地下ピットタイプの単純昇降式は、地面を掘り下げてつくった「ピット」と呼ばれる地下部分に車を収めるタイプの駐車場です。地上1段・地下1段の2段式の他、地上2段・地下1段(3段式)や、地下2段(多段式)など、敷地条件に合わせて複数のパレットを組み合わせるタイプも多くあります。パレットを上下に動かして車を出し入れします。下段の車を出すときは、下段のパレット自体が上昇して地上まで上がる仕組みになっています。動作は上下の昇降のみで行われるため構造がシンプルで、マンションなどの敷地を有効に使いたい場合によく採用される方式です。

パズル式は、車を上下だけでなく横方向にも動かして収納するタイプの駐車場です。複数の段と列に車を配置し、空いているスペースを利用してパレットをスライドさせながら目的の車を取り出します。その動きがまるでパズルを動かすように見えることから、この名前がついています。装置全体がコンピュータで制御されており、最も効率の良い順序で出庫できるよう自動的に調整されます。出庫までの時間(平均60〜120秒)なども選定時のポイントとなります。中〜大規模のマンションやオフィスビルなどに多く採用されています。

パレットが上下(昇降)と左右(横行)に移動する「昇降横行式(パズル式)」の基本構造に加え、パレットを前後(縦列)に2~3列配置できるようにした方式です。構造的な特徴として、昇降横行式の「空きスペース」を利用してパズルさながらにパレットを動かし、目的の車両を呼び出します。縦列式の場合、奥の車両を出庫させるには、まず手前のパレットを別の空きスペースへ移動させるという動作が加わります。この構造により非常に高い収容効率を実現しますが、その分、機構が複雑になります。結果として、他の方式と比べて入出庫に時間がかかり、メンテナンスコストも高額になる傾向があります。

タワー式は、建物のような塔の内部で車を上下に移動させて収納する方式です。エレベータ式では、1台ずつ車を載せたパレットを昇降機に載せて上下に動かし、指定された階や位置に格納します。一方、垂直循環式では、複数のパレットがチェーンなどでつながれ、観覧車のように垂直方向に回転しながら車を循環させる構造になっています。限られた土地で多くの車を収容できるのが特長で、都市部の高層マンションや商業施設などでよく採用されています。

地下循環式は、車を複数の方向に動かして効率よく収納するタイプの駐車場です。水平循環方式は、パレットが水平方向に環状または往復移動して車を出し入れする方式で、同一フロア内でパレットが回転またはスライドして車を前面に持ってきます。
一方、多層循環方式は、パレットが上下と左右の両方に動く立体的な構造で、垂直方向と水平方向を組み合わせながら車を循環させる仕組みです。
これらの方式は、ビル地下や商業施設など、限られた空間に多くの車を収容したい場合に適しています。

既存の機械式駐車場を撤去した後に、残ったピット(穴)をコンクリートで埋め戻す代わりに、鉄骨の骨組みと鋼製の床板(デッキプレート)で塞ぎ、平面化する工法です。「デッキ工法」とも呼ばれます。構造的な特徴は、コンクリートで完全に埋め戻す工法(埋め戻し工法)と比較して圧倒的に軽量である点です。これにより、建物本体への構造的な負担を最小限に抑えることができます。また、コンクリートの打設や養生(乾燥)期間が不要なため、工期が短いことも大きなメリットです。

駐車スペースや車路に設置され、車両を載せた円形の台が回転することで、車の向きを変えるための装置です。構造は、円形の台(テーブル)がモーターや油圧によって回転する仕組みになっています。主に、前面道路が狭く切り返しが困難な駐車場や、機械式駐車場の出入り口付近に設置されます。ターンテーブルを利用することで、入庫時とは逆向き(前向き)で安全に出庫できるため、利便性と安全性が大きく向上します。
機械式駐車場は、モーターや油圧装置、チェーンなどで車を上下や前後に動かし、限られた敷地に多くの車を収納できる駐車設備です。都市部のマンションやビルなど、土地を効率的に活用したい場所で多く採用されています。屋内外や地下など設置条件に応じて設計され、雨風や直射日光から車を守る点も特徴です。
ただし、機械を動かす設備のため定期的な点検・整備が必要で、15〜20年ほど経つと更新時期を迎えます。更新には1基あたり数千万円規模の費用がかかることもあります。

そのため近年は、維持費や利用率の低下を背景に、
装置を撤去して平面駐車場に転換する
「平面化工事」を選ぶケースも増えています。
Problem
01
機械式駐車場は、利用率に関係なく定期点検や保守契約、電気代などのランニングコストが発生します。さらに経年劣化による故障は避けられず、修理のたびに入出庫が停止するなど、利用者対応や運営面での負担が大きくなります。マンション管理組合やビルオーナーにとっては、日常的な維持管理が長期的なコスト要因となります。
Problem
02
設置から15〜20年が経過すると更新時期を迎え、更新費用は装置全体(1基)で数千万円、パレット1台あたりに換算すると150万円を超えるケースもあります。この負担は管理組合やビルオーナーの予算を圧迫し、更新を実施するか、撤去や平面化を検討するかといった判断を迫る要因となっています。
Problem
03
近年の事故多発を受けて国土交通省による安全基準が強化され、更新の際には「前面ゲート」や「安全センサー」「非常停止ボタン」などの追加が求められています。既存設備を現行の安全基準に適合させるための改修費用が発生し、結果としてリニューアル費用全体をさらに押し上げる要因となっています。
Problem
04
SUVやミニバンなどの大型車が増える一方で、旧式の機械式駐車場は車高・車幅・重量制限の制約があり、対応できないケースが多く見られます。これにより、実際に駐車できる車種が限られ、住民やテナントのニーズと合わず、空き区画(空きパレット)の増加につながっています。
Problem
05
耐用年数内であっても、メーカーが部品供給や保守対応を終了(保守満了)することがあります。部品の互換性がないため修理が困難になり、結果的に特定メーカーへの依存が強まります。このような構造的なリスクは、マンション管理組合やビルオーナーにとって長期的な資産管理上の不安要素となります。
POINT
POINT
機械式駐車場の耐用年数は、メーカーが想定する目安でおおむね15〜20年程度です。この時期を過ぎると、部品の摩耗や劣化が進み、故障が増加します。また、古い機種ではメーカーによる部品供給や保守対応が終了することもあり、そのままの使用が難しくなる場合があります。
まずは、「設置から何年経過しているのか」「メーカーの保守対応はいつまで続くのか」を確認することが、更新検討の第一歩です。
POINT
更新には複数のアプローチがあり、それぞれ費用や効果が異なります。代表的なものは次の3つです。
POINT
全体更新を行う場合、1基あたり数百万円に及ぶこともあり、複数基を有する施設では総額が数千万円規模になることもあります。
さらに、更新後も定期点検・保守・電気代といった維持コストが発生します。したがって、「更新費用+今後の維持費」を合わせて長期的に比較・検討することが重要です。
POINT
新しい装置では、安全センサーの高性能化、操作パネルのデジタル化、停電時対応の改善など、安全性と操作性が大きく進化しています。
更新を検討する際は、単に古い装置を交換するのではなく、「安全面」「使いやすさ」「メンテナンス性」などの観点でどのように改善されるかを比較することが大切です。
POINT
更新の必要性を判断する前に、現状の利用率を確認することが欠かせません。空き区画が多い場合は、全基を更新するのではなく「一部を撤去して平面化する」「装置数を減らす」といった選択肢も有効です。
また、将来の車所有率やテナント構成の変化も踏まえた需要予測を行うことが望まれます。
POINT
更新工事は高額なため、管理組合の総会での承認が必要になります。
また、修繕積立金の範囲内で賄えるのか、追加徴収や借入が必要なのかといった資金計画も重要な検討ポイントです。
早めに専門家(コンサルタントや管理会社)へ相談し、見積比較や工事計画を立てることが、円滑な合意形成につながります。
マンションの駐車場といっても、その構造や形式はさまざまです。大きく分けると、まず〈平面式駐車場〉と〈立体式駐車場〉の2種類があります。さらに立体式駐車場は、〈機械式〉と〈自走式〉の2つに区分されます。
マンションやビルで広く採用されている機械式駐車場は、敷地内または建物内に鉄筋コンクリート製の地下ピットを設け、その内部に装置を設置し、昇降モーターによってパレットを上下させて車両を格納する仕組みになっています。
この機械式駐車場は、「装置本体」と「地下ピット」という2つの構造から成り立っています。一般的に「機械式駐車場の更新または平面化」とは、「装置本体」を一旦撤去し、更新の場合には新しい装置を設置し直し、平面化の場合には空になった地下ピットの開口部を塞ぐ工事を指します。
なお、通常は地下ピットの鉄筋コンクリート構造そのものを壊すことはありません。
機械式駐車場は、定期的な点検やメンテナンスを行っていても、構造物である以上、いずれ寿命を迎えます。一般的な耐用年数は15〜25年程度とされており、これは装置の種類や使用頻度、設置環境などによっても異なります。
耐用年数を超えると、主要部品の劣化や制御盤の老朽化が進み、故障や事故のリスクが高まるため、装置全体の更新が必要になります。この場合、1台(1パレット)あたり約130〜150万円程度の費用がかかるのが一般的です。
そのため、長期修繕計画の中で更新費用をあらかじめ計上し、必要な資金を確保しておくことが重要です。ところが、実際には十分な準備がないまま更新時期を迎え、費用を捻出できずに困るマンション管理組合やビルオーナーも少なくありません。
【免責事項】
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定企業への誘導を行うものではありません。本サイトに掲載する情報は一般的な内容に基づいており、導入に関する最終的な決定と責任は、各自にてご判断ください。