【地下循環式】(多層循環方式/水平循環方式)
地下循環式は、地下空間を立体的に利用し、複数方向にパレットを移動させながら車を出し入れする方式です。
都市部の商業ビルやオフィスビルで採用されることが多く、限られた地下スペースで最大限の収容効率を実現できます。地下でパレットを循環させる点が特徴で、主に以下の2タイプがあります。
- 水平循環方式:
水平循環方式は、同一フロア内でパレットが水平方向に環状または往復移動し、車を前面に送り出す方式です。フロアごとに循環系統を持つため、単層の水平循環方式は比較的シンプルな構造です。 - 多層循環方式:
多層循環方式は、上下(昇降)+左右(横行)+前後(奥行移動)を組み合わせた複雑な循環方式です。断面としては「立体パズル」のような構造となり、地下空間を最大限活用できます。
▼ メリット(利点)
- 高い収容効率
水平循環方式では単層のループで効率良く、 多層循環方式では上下・左右・前後を組み合わせて立体的に格納でき、多台数の収容を実現します。 - 景観保全
地上に構造物が発生しないため、景観を一切損なわず、敷地の価値を最大限に活用できます。商業施設や高級マンションとの相性が良好です。 - 外部環境の影響を受けにくい
地下に格納されるため、風雨・紫外線・落下物・外部からのいたずらや盗難リスクが大幅に低減されます。
▼ デメリット(注意点)
- 最高レベルの導入コスト
地下ピットの掘削・防水処理・換気設備・排水設備・耐震構造など、建設要素が多く、導入コストはあらゆる方式の中でも最も高額になる傾向があります。 - 専門的なメンテナンス
多方向の移動機構や複雑な制御システムを備えるため、メーカーによる専門的な点検・交換が不可欠で、ランニングコストも高くなります。 - ブラックボックス化
故障時には制御系のトラブルが多く、原因の特定や復旧に時間を要する場合があります。場合によっては長時間の全台数出庫不可が発生することもあります。
▼ 主な用途
大規模な複合商業施設、ホテル、オフィスビル、タワーマンションなど、特に地価が高い都市部で、不整形な敷地や地下空間を最大限に活用して収容台数を確保する必要がある場合に採用されます。
▼ この方式に対応する主なメーカー
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日本コンベヤ株式会社
「技あり!柔軟設計」を強みに、エレベータ方式NHTシリーズで縦列搬送や前面空地利用など多彩なモデルを展開。120m級高層化やパレットレスNHXにも対応し、土地制約下での駐車台数増加を実現します。
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三菱重工機械システム株式会社
エレベータ方式「スマートリフトパーク」の車重可変速度制御と電源回生システムで、出庫時間短縮と高い省エネ性能を両立。セルパークやIPSなど独自システムで大型・地下駐車場の課題を解決します。
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日本ケーブル株式会社
ロープウェイ技術を応用したワイヤロープ駆動の「NCEパーク」で高速・低騒音な入出庫を実現。タワー式から各種地下循環方式までラインナップし、EV・バリアフリー対応の柔軟な提案が可能です。
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住友重機械搬送システム株式会社
地下昇降横行式(パズル方式)に強みを持ち、小規模マンションから大規模施設まで対応。高速リフトとコンピュータ制御で短い出庫時間と低騒音を実現し、24時間365日の保守体制で安心を提供します。
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IHI運搬機械株式会社
国内70万台超の納入実績を持つ機械式駐車場のリーディングカンパニー。エレベータ式やタワーパーキング、水平循環方式まで、多様な方式と最新技術で最適なリニューアル提案を行います。



























