1. 基礎知識
  2. 車検証だけじゃダメ?機械式駐車場と車高の落とし穴

公開日:

車検証だけじゃダメ?機械式駐車場と車高の落とし穴

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機械式駐車場と車高の落とし穴

車検証だけじゃダメ?機械式駐車場と車高の落とし穴

都市部のマンションでよく見かける機械式駐車場。限られた敷地をうまく使う手段として便利ですが、車の高さに制限があることは、多くの方がご存じでしょう。

とはいえ、「車検証に書かれている高さを見れば十分」と思っていませんか?

実はそこに、思わぬ落とし穴があります。後付け装備やルールの確認不足で、事故や契約トラブルが起きてしまうケースも少なくありません。

この記事では、高さ制限の基本からよくある誤解、事故例、対応車種や規約の確認方法まで、わかりやすく解説していきます。

機械式駐車場を安全に、安心して使うために、ぜひ最後までお読みください。


なぜ高さ制限があるの?

機械式駐車場は、立体的に車を収納するための設備です。そのため、各装置には「ここまでの高さの車しか入れません」という上限がしっかり決まっています。
この制限を超えて車を入れてしまうと、次のようなトラブルにつながります。

起こりうるトラブル主な原因
装置の故障天井や側面に車がぶつかり、機械が停止・破損
車両の損傷アンテナやルーフが接触して破損
人身事故のリスク装置の誤作動による落下・挟み込み事故など
リジカル

“ちょっとぐらい大丈夫”は通用しません。1cmオーバーでもNGです!


車検証の数字はあくまで目安。実際の車高を測ろう

車検証には「全高(車の高さ)」が記載されていますが、これはメーカー純正状態での数値です。
実際の車は、さまざまな後付け装備や荷物によって、高さが変わっていることがあります。

よくある後付け装備高さの目安(加算分)
ETCアンテナ+5~10cm
ルーフキャリア+10~30cm
スキーラック・サーフボード+20cm以上

納車後に装備を付けた方、中古車を購入した方は特に注意が必要です。
目視では分かりにくいので、メジャーでの実測がおすすめです。たった1cmの差が、装置や車両に深刻なダメージを与えることもあります。


高さ制限と対応可能な車種の例

近年はSUV人気の影響で、高さ1,700mm以上に対応した機械式駐車場も増えています。
しかし、今もなお「1,550mm以下」が多数派です。

高さ制限主な対応車種備考
~1,550mmコンパクトカー・セダン・一部SUV古い設備に多い
~1,700mm小型SUV・ミニバン比較的新しい設備に多い
~2,000mm大型SUV・ハイルーフ車対応装置は限られている

「入庫できる=使える」ではない?規約・細則に注意!

たとえ物理的に車が駐車場に入ったとしても、それだけでは契約できないケースがあります
多くのマンションでは、管理規約や使用細則で「この条件の車しか使えません」というルールが定められているからです。

リジカル

“うちの車、物理的には停められる”と思っても、規約に反していればNGなんです

使用細則や管理規約はマンションごとに異なります。とくに築年数の古い物件では、現代の車両事情に合っていない内容のままになっているケースもあるため、契約前には必ず確認しましょう。

車を買ったのに停められない!?機械式駐車場でありがちな車庫証明の盲点

マンションの機械式駐車場で車庫証明が取れない理由とは?使用承諾証明や管理規約の落とし穴について事前確認の重要性を解説します。


実際にあったトラブル例

  • 天井に接触して装置が故障
  • 落下したパーツが隣の車にぶつかって損傷
  • 屋根が潰れて修理不能に

これらはすべて「ちょっとした確認不足」が原因です。確認を怠ると、修理費や賠償の負担にもなりかねません。
ちょっとした油断が、高額修理や賠償問題につながるリスクがあります。


意外と見落とされがちな「最低地上高」

高さ制限ばかりに気を取られて、車体の下側の高さ(最低地上高)を見落としていませんか?
これが足りないと、パレットやスロープに車体が接触するトラブル
が起きます。

起こること原因
車体の底を擦るスロープや段差で干渉
装置に引っかかるパレットの金具などに接触

特に、ローダウン車やエアロパーツ付きの車両は要注意です。こちらも実測が大切です。


高さ1,550mm以下の日本製SUV車種10選

以下は、機械式駐車場(1,550mm制限)に対応可能な国産SUVの一例です。

車種名メーカー全高
レクサス UXトヨタ(Lexus)1,540mm
トヨタ C-HRトヨタ1,550mm
マツダ CX-3マツダ1,550mm
マツダ CX-30(FF)マツダ1,540mm
マツダ MX-30マツダ1,540mm
スバル XV(旧型)スバル1,550mm
ホンダ ヴェゼル(旧型)ホンダ1,540mm
日産 ジューク日産1,550mm
トヨタ ラッシュトヨタ1,530mm
ダイハツ ロッキー(旧型)ダイハツ1,550mm

※グレードや装備により高さが変わることがあります。必ず実車またはメーカー公式情報でご確認ください。


まとめ

機械式駐車場を安全に使うには、「高さ制限」や「最低地上高」の確認だけでなく、管理規約や使用細則の内容もしっかりチェックすることが重要です。

車検証だけを見て判断すると、見落としや誤解によるトラブルにつながる可能性があります。

とくに最近はSUVやミニバンなど、制限ギリギリの車両が増えています。

後付け装備がある方や中古車を購入した方は、必ず実測と規約の確認をセットで行いましょう。

「入る=使える」ではありません。

ちょっとした注意が、後々の大きな安心につながります。


機械式駐車場のことで

お悩みの方へ

機械式駐車場の高さ(サイズ)制限でお困りの方へ

「この車、使えるのか心配…」「駐車場がハイルーフ対応だったらな…」
そんなお悩みをお持ちの理事会や住民の方へ。

実は、機械式駐車場をハイルーフ対応に改修する方法や、思い切って撤去して平面化する選択肢もあります。
ただし、どちらにも費用・管理の手間・合意形成などのハードルがあります。

私たちは、マンションの機械式駐車場に関する専門相談を無料で承っております。
ハイルーフ化・平面化の可能性、解体に向けた進め方まで、第三者の視点でわかりやすくご案内します。

「何から始めたらいいか分からない」という段階でもOK。
オンライン相談・電話相談も可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

投稿者プロフィール

機械式駐車場の相談窓口
機械式駐車場の相談窓口
機械式駐車場の維持管理・リニューアル・解体平面化等に関する専門的な情報提供や、無料コンサルティングを行っています。複雑で不透明になりがちな分野だからこそ、皆さまが納得して判断できるよう、わかりやすく中立的な支援を心がけています。

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車検証だけじゃダメ?機械式駐車場と車高の落とし穴

都市部のマンションでよく見かける機械式駐車場。限られた敷地をうまく使う手段として便利ですが、車の高さに制限があることは、多くの方がご存じでしょう。

とはいえ、「車検証に書かれている高さを見れば十分」と思っていませんか?

実はそこに、思わぬ落とし穴があります。後付け装備やルールの確認不足で、事故や契約トラブルが起きてしまうケースも少なくありません。

この記事では、高さ制限の基本からよくある誤解、事故例、対応車種や規約の確認方法まで、わかりやすく解説していきます。

機械式駐車場を安全に、安心して使うために、ぜひ最後までお読みください。


なぜ高さ制限があるの?

機械式駐車場は、立体的に車を収納するための設備です。そのため、各装置には「ここまでの高さの車しか入れません」という上限がしっかり決まっています。
この制限を超えて車を入れてしまうと、次のようなトラブルにつながります。

起こりうるトラブル主な原因
装置の故障天井や側面に車がぶつかり、機械が停止・破損
車両の損傷アンテナやルーフが接触して破損
人身事故のリスク装置の誤作動による落下・挟み込み事故など
リジカル

“ちょっとぐらい大丈夫”は通用しません。1cmオーバーでもNGです!


車検証の数字はあくまで目安。実際の車高を測ろう

車検証には「全高(車の高さ)」が記載されていますが、これはメーカー純正状態での数値です。
実際の車は、さまざまな後付け装備や荷物によって、高さが変わっていることがあります。

よくある後付け装備高さの目安(加算分)
ETCアンテナ+5~10cm
ルーフキャリア+10~30cm
スキーラック・サーフボード+20cm以上

納車後に装備を付けた方、中古車を購入した方は特に注意が必要です。
目視では分かりにくいので、メジャーでの実測がおすすめです。たった1cmの差が、装置や車両に深刻なダメージを与えることもあります。


高さ制限と対応可能な車種の例

近年はSUV人気の影響で、高さ1,700mm以上に対応した機械式駐車場も増えています。
しかし、今もなお「1,550mm以下」が多数派です。

高さ制限主な対応車種備考
~1,550mmコンパクトカー・セダン・一部SUV古い設備に多い
~1,700mm小型SUV・ミニバン比較的新しい設備に多い
~2,000mm大型SUV・ハイルーフ車対応装置は限られている

「入庫できる=使える」ではない?規約・細則に注意!

たとえ物理的に車が駐車場に入ったとしても、それだけでは契約できないケースがあります
多くのマンションでは、管理規約や使用細則で「この条件の車しか使えません」というルールが定められているからです。

リジカル

“うちの車、物理的には停められる”と思っても、規約に反していればNGなんです

使用細則や管理規約はマンションごとに異なります。とくに築年数の古い物件では、現代の車両事情に合っていない内容のままになっているケースもあるため、契約前には必ず確認しましょう。

車を買ったのに停められない!?機械式駐車場でありがちな車庫証明の盲点

マンションの機械式駐車場で車庫証明が取れない理由とは?使用承諾証明や管理規約の落とし穴について事前確認の重要性を解説します。


実際にあったトラブル例

  • 天井に接触して装置が故障
  • 落下したパーツが隣の車にぶつかって損傷
  • 屋根が潰れて修理不能に

これらはすべて「ちょっとした確認不足」が原因です。確認を怠ると、修理費や賠償の負担にもなりかねません。
ちょっとした油断が、高額修理や賠償問題につながるリスクがあります。


意外と見落とされがちな「最低地上高」

高さ制限ばかりに気を取られて、車体の下側の高さ(最低地上高)を見落としていませんか?
これが足りないと、パレットやスロープに車体が接触するトラブル
が起きます。

起こること原因
車体の底を擦るスロープや段差で干渉
装置に引っかかるパレットの金具などに接触

特に、ローダウン車やエアロパーツ付きの車両は要注意です。こちらも実測が大切です。


高さ1,550mm以下の日本製SUV車種10選

以下は、機械式駐車場(1,550mm制限)に対応可能な国産SUVの一例です。

車種名メーカー全高
レクサス UXトヨタ(Lexus)1,540mm
トヨタ C-HRトヨタ1,550mm
マツダ CX-3マツダ1,550mm
マツダ CX-30(FF)マツダ1,540mm
マツダ MX-30マツダ1,540mm
スバル XV(旧型)スバル1,550mm
ホンダ ヴェゼル(旧型)ホンダ1,540mm
日産 ジューク日産1,550mm
トヨタ ラッシュトヨタ1,530mm
ダイハツ ロッキー(旧型)ダイハツ1,550mm

※グレードや装備により高さが変わることがあります。必ず実車またはメーカー公式情報でご確認ください。


まとめ

機械式駐車場を安全に使うには、「高さ制限」や「最低地上高」の確認だけでなく、管理規約や使用細則の内容もしっかりチェックすることが重要です。

車検証だけを見て判断すると、見落としや誤解によるトラブルにつながる可能性があります。

とくに最近はSUVやミニバンなど、制限ギリギリの車両が増えています。

後付け装備がある方や中古車を購入した方は、必ず実測と規約の確認をセットで行いましょう。

「入る=使える」ではありません。

ちょっとした注意が、後々の大きな安心につながります。


機械式駐車場のことで

お悩みの方へ

機械式駐車場の高さ(サイズ)制限でお困りの方へ

「この車、使えるのか心配…」「駐車場がハイルーフ対応だったらな…」
そんなお悩みをお持ちの理事会や住民の方へ。

実は、機械式駐車場をハイルーフ対応に改修する方法や、思い切って撤去して平面化する選択肢もあります。
ただし、どちらにも費用・管理の手間・合意形成などのハードルがあります。

私たちは、マンションの機械式駐車場に関する専門相談を無料で承っております。
ハイルーフ化・平面化の可能性、解体に向けた進め方まで、第三者の視点でわかりやすくご案内します。

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